電子工作

激安トースター改造してロティサリーチキン焼く

2000円の激安トースター改造して回転機構つけて、Arduinoマイコンで温度制御してロティサリーチキンを焼いたお話です。

 

きっかけは2017年12月に発売された、Panasonicのロティサリーグリル&スモーク(NB-RDX100-K)でした。激安トースターオーブンにドリルで穴あけて回転機構つける改造をして、モーターとヒーターをArduinoで制御すれば同じものができるはずだと思ったのです。

 

さっそく100均に行って適当なカゴを買ってきました。回転機構はチキンに刺す棒やモーターの選定、トルク出しなど色々考えないといけないので、Amazonでロティサリー用のユニットを購入してしまいました。試しに組み合わせてみたらなかなかいい感じになったので、これでいくことにしました。(動画はこちら

 

次に2000円の激安トースターの側面にドリルで穴を開け、作ったものを取り付けてみました。(動画はこちら

 

そして2日後、Arduino Uno熱電対アンプモジュールを接続し、AC100VはSSRでコントロールすることでロティサリーチキンを焼くことができたのでした。トースターは完全にArduinoマイコンの制御下に置く必要があるため、タイマーと温度ヒューズ(サーモスタット)は無効化しました。

 

1回目は脂身の少ない切り身のチキンを焼いていたので、オリーブオイルをかけながら焼いてジューシーにしたいと考え、トースターを90度倒して置くことを思いついたのです。あと時々扉を開けてクレイジーソルトをかけたりハーブを追加したり、色々味付けを楽しみたい、というのもありました。ですので上開きの扉は都合がよかったのです。

 

さて2回目ですが、どうしてもホールチキンが焼きたくなってやってみたところ、ギリギリ入ってうまく焼けました。こちらのほうがチキンが熱源に近いため、表面がカリッとした仕上がりになりました。また、ホールチキンを焼いている時に大量の脂が出ましたが、このトースターの横置きは脂がヒーターに当たって煙が出るのを防ぐことができる、というメリットも生んだのでした。

 

ちなみに熱電対で測定した温度データを可視化したのがこちらのです。初回(上グラフ)はターゲット温度を220℃にしたのですが、2回目(下グラフ)に190℃にしたほうがうまく焼き上がりました。焼き時間は1時間ほどです。ArduinoのPIDライブラリーを使ってPID制御を行ったので、設定温度付近でかなり安定した温度コントロールが実現できています(右グラフ)。途中温度が下がっているところは、オーブンの扉を開けて中を確認したりしていたからです(左グラフ)。

 

ここで終わりにしてもよかったのですが、お店で本物のロティサリーチキンをどのように焼いているのか知りたくなり、ロティサリーチキン専門店に行ってみることにしました。

 

ここでの気付きはやはりホールチキンをそのまま焼いていたこと、落ちた脂で切ったじゃがいもも焼いていたことでした。自分も同じようにやりたくなったので、やはりフィールドスタディーは大切ですね。

さて、次に大きめのコンベクションオーブンを買ってきててトースターと同じように改造、じゃがいもも一緒に焼けるようにすることにしました。

 

改造箇所は機種が変わっても同じです。タイマーと温度ヒューズ(サーモスタット)の無効化です。以下の写真をごらんください。左の黄色の丸部分がタイマーの無効化箇所、右の黄色の丸部分がサーモスタットの無効化箇所です。無効化といっても直結しているだけです。使用したのはそのへんに転がってた15A流せる電線です。皮膜を剥いて動線を改造箇所にぐるぐる巻きにしてはんだ付けしただけです。本来なら耐熱電線同士を圧着してごにょごにょすべきですが、圧着するあれがなかったので。。。

 

電気系の改造が終わったら、側面にロティサリー機構を取り付けるための穴をドリルで開けます。

 

そうして完成したのがこちらの大型のロティサリーオーブンです。

 

そしてホールのロティサリーチキンとじゃがいも&さつまいもを焼くことができたのでした。

 

そして #多分私しかやってない ハッシュタグが流行っているようなので、今回また同じようにホールチキンを焼いている動画をツイートしてみたのですが、反響が大きくて驚きました。おそらく同じようにされている方もいらっしゃいますよね。

 

というわけで、家電はArduinoマイコンを使って改造すると、自分好みの温度調節ができたりして楽しいです。

それではまた😁

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